幻のチーズ

             その名は≪MATCHIE≫(マッチェ)

蜂蜜入りのフレッシュシェーブル(山羊乳のチーズ)に抹茶パウダーをまぶしている。

フレッシュシェーブルは、ヨーグルトのような爽やかな酸味があるので、その酸味に蜂蜜の甘みと抹茶の苦みが丁度よく調和する春、夏にぴったりなチーズ。


実は、このチーズの名前、抹茶と私の名前の千恵を合わせ、マッチェと命名された。

自分の名前が入ったチーズが作られるとは夢にも思わなかったので、とても光栄な事(^^♪


そもそも、当時、フォンテーヌブロー(生クリームとフロマージュブランを合わせたデザート)のコンクールに向け新しい味を開発するために、青かびチーズと合わせたり、ほうじ茶を混ぜ込んでみたり、仲間がいろいろ試しているのを見て、思いついた。

蜂蜜と抹茶を合わせたらおいしいのでは?!と。

早速作って皆に試食をしてもらったら、大好評!

そのまま、フォンテーヌブローの新しいバージョンとして発売されるかと思いきや、その後なんの音沙汰もないまま、一週間過ぎ、そして、突然、このマッチエが登場。

アイディアを私が出したから、と私の名前を入れてくれた上、発売してからは、パトロン(雇用主)自ら、"一緒に働いている日本人の仲間のちえが考えてくれたから、抹茶と組み合わせてマッチェと根付けた"と常連客に説明し、試食会をして、それを食べたお客様がどんどんマッチェを買って行って行く。

その様子は、今思い出してもウキウキする。

別の日には、今日のおすすめチーズとして出してくれ、宣伝文句を私に直接書かせてくれた。

こんな風にいつも遊び心いっぱいで新しいアイディアを次々と思いつくパトロン。そして、その場にいるだけで一気に活気溢れて皆がイキイキしてくる魅力あふれる人柄。今でこそ、どの店にでもあるブリーとイチジクの組み合わせは、もともとは、パトロンが思いついたんだとか。そんなパトロンのおかげで、華々しく世に送り出されたマッチェ。

 わりと人気はあった(と思いたい)のですが、今はパトロンも変わり、販売していないので、まさに、これぞ本当の幻のチーズ!

、、、こういうチーズも世界にはたくさん存在しそうですね。



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チーズ研究家・Chiee(ちぃ)のチーズとフランス生活のあれこれ。

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