❽Salers(サレール)

1961年  AOC

カンタル、ライオルと生産地・製法がほぼ同一なら、見た目も風味も似ている。

何が違うのか?といえば、牛の品種・飼料・乳質です。

カンタルは、一番許容範囲が広く、特に牛の品種の規定はなく、製造ゾーン内のものならOK。生乳でも加熱殺菌でもよく、工場製、農家製両方存在し一年中生産されている。
なので、生産量もこの3種類の中では一番多く、13870tとなっている。

ライオルは品種が、L'aubrac、 La simmentalとなっており、生乳を使用。飼料は発酵しているもの、遺伝子組み換えのものは禁止されている。こちらも一年中生産できるが、生産量は667tと控えめ。

そして、この中でサレールは、断トツで規定が多い。
まず、製造期間が4月15日~11月15日。なぜなら、飼料が天然の草花に限られているから。なので、草花がイキイキとしている期間に限定されている。
ちなみに、それ以外の期間に作られ、飼料が変わり作られたものは、"カンタル"となります。
牛の品種は定められていませんが、全てFermier製となっている。
そもそもFermierって一体何?と思われると思いますが、農家のことです。
農家製のチーズとは、農家で飼育している牛のミルクでその場で作られるので、原料のミルクは生乳であることが多く、土地独特の風味を保持しているリッチな味わいのチーズが多い。


飼料にこだわりのあるため期限があるサレール、たっぷりの生き生きした草花・ハーブを食べた後のミルクで作られるこのチーズは味わいも深く濃厚です。
カンタルの6カ月以上熟成したカンタルヴューに匹敵するくらいの力強さがあります。

ちなみに、サレールという牛のミルクだけを使って作ったものは、サレールトラディションという名前でよばれます。
濃厚なチーズが好きな方向け。

En ce moment

チーズ研究家・Chiee(ちぃ)のチーズとフランス生活のあれこれ。

0コメント

  • 1000 / 1000